第90回メーデーアピール

2019年5月1日
新社会党中央本部
 労働者が健康で働き続けられる社会をつくろう
労働者こそ社会の主人公
 
 安倍晋三首相は、「景気回復は続いている」と繰り返してきた。第2次安倍政権発足(1212 月)に、はじまった経済回復を「今も続いている」(茂木敏充大臣)とコメントする。「実感なき景気回復」は、今年1月で6年2ヵ月に達し、以後も「景気回復」は続いていると明言をする。

 NHKの世論調査(4月8日)によると「景気回復が続いていると思う」が 10%に対して、「続いていないと思う」は 51%を占める。16年以降、G7の賃金水準で「賃下げが続く」のは日本だけ。日本のGDP国別ランキングは世界第3位にもかかわらず、1人当たりのGDPは第20位まで降下する。法人税減税や総額人件費の削減などで企業の内部留保は446兆円まで膨れ上がる。この1年でさらに40兆円も伸ばす一方で、労働分配率は右肩下がりが続く。実感なき「景気回復」を安倍首相は、「景気回復は続いている」と「息を吐くように嘘を吐く」。

 毎月勤労統計の不正発覚は、国の統計調査を失墜させた。厚労省が示してきた実質賃金の偽装は、アベノミクスの底支えに使われた。アベノミクスで「景気回復」が認められるのは、17年9月まで。それ以降、民主党政権の幕を閉じる1211月時点の景気状態をも下回る。経済停滞と偽装でもがく安倍首相は、数値の高い「総雇用者所得」を持ち出し、「賃金は下がっていない」とうそぶく。

 19春闘は、安倍首相の後出しじゃんけんで「賃上げのお願い」を演出した。経団連は「賃金は労使交渉で決めるもの」と安倍首相の願いを袖にしたが「狸とムジナの化かし合い」を見るようだ。官邸と財界は、裏で手を握ってベア封じの策動をした。3月13日の集中回答は、JCを中心に大手組合で、低額のベア回答が並んだ。18春闘の平均2・07%(連合集計)を下回り、定昇割れも目立つ1%台の低額回答に封じ込められた。経団連は、「横並び回答から経営実態に即した個別交渉」を評価する。企業の満足する春闘では、生活改善の賃上げはできない。19春闘の総括は、「安心して働き続ける職場環境」の達成にあり、大衆行動の広がりが求められる。

 労働者の闘いの力は団結!労働者こそ社会の主人公。万国の労働者、団結 せよ!

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